北京でほぼ10年ぶりの大規模黄砂、モンゴルでは死者も
(CNN) 中国の首都北京で15日、ほぼ10年ぶりとなる大規模な黄砂が発生し、空が薄暗いオレンジ色に変わった。高層ビルも車もかすんで見え、大気汚染は「有害」レベルに悪化。当局は市民に対して屋内にとどまるよう呼びかけている。
それでも市民の多くは砂ぼこりが吹き付ける強風の中、徒歩や自転車で通勤していた。視界が極端に悪く、日中にもかかわらず車のヘッドライトを付けなければならない場所もあった。
中国の気象当局は15日、所によっては強い砂嵐のために視界が500メートル以下に低下したと述べ、この10年近くで最も強い砂ぼこりが発生しているとした。
ただでさえ深刻な北京の大気汚染は今回の黄砂でさらに悪化。特に危険が大きいとされる微小粒子状物質「PM2.5」は15日、1立方メートル当たり最大で655マイクログラムに達した。世界保健機関(WHO)はこの値が25を超えると危険とみなしている。
黄砂の中で自転車をこぐ女性=15日/Noel Celis/AFP/Getty Images
中国国営メディアによると、黄砂が発生したモンゴルでは6人が死亡、81人が行方不明になっている。
黄砂はモンゴルから徐々に南下して、北京では粒子の大きい大気汚染物質「PM10」の濃度が市の観測所で1立方メートル当たり8100マイクログラムを超えた。これを受けて中央気象台は、黄砂に対する警戒レベルを4段階で上から2番目に引き上げた。
黄砂にかすむビジネス街のビル/Leo Ramirez/AFP/Getty Images
当局は住民に対し、可能な限り外出を控えるよう呼びかけ、学校や教育機関に対しては屋外活動を中止するよう促している。