台湾で490人乗せた列車が脱線 50人死亡、156人負傷
(CNN) 台湾東部のトンネルで490人を乗せた列車が脱線し、当局によると少なくとも50人が死亡、156人が負傷した。
台湾中央通信(CNA)が消防当局の話として報じたところによると、事故は2日午前、花蓮市北郊のトンネル内で発生。台東市に向かっていた8両編成の列車のうち、数両がトンネルの壁に衝突した。
消防当局は台湾政府に対し、死者には運転士が含まれると説明。少なくとも69人の生存者が花蓮県の複数の病院で治療を受けていると明らかにした。
台湾政府は2日、一部の死者については身元確認が済んでいないと明らかにしたが、列車内に閉じ込められていた人は全員、救出されたと当局は見ている。複数の当局者によると、事故ではフランス人1人が死亡し、負傷者には日本人2人とマカオ住民1人も含まれる。
当局は当初、51人が死亡したとしていたが、その後50人に修正した。
CNAは事故原因について、車両1台がトンネル近くの斜面から滑り落ち、走行中の列車に衝突したことが原因になった可能性があると伝えた。
ソーシャルメディア上の動画には重機の部品が映っているほか、脱線した列車の脇に車のドアとみられる物体があるのも確認できる。
事故現場の画像からは、トンネル内の列車が衝撃でつぶれ、裂けた様子がうかがえる。傾いた列車の中でスーツケースやかばんを回収する人や、残骸の散乱した線路に沿って歩く人の姿も見える。
近隣国の指導者は犠牲者に弔意を示すとともに、台湾当局への支援を申し出た。日本の菅義偉首相は「亡くなられた方々への御冥福を心からお祈りする」と表明。安倍晋三前首相はツイッターで「この困難な時にあって、台湾の皆さんの友人として、私たちにできることがあれば協力を惜しみません」と述べた。
台湾北東部では2018年、列車脱線により18人が死亡、175人が負傷し、台湾の列車事故としては30年以上で最悪の被害が出ていた。