台湾、隔離違反男性への罰金を撤回 人違いで拉致されたと判明
香港(CNN) 台湾当局が入境者に義務付けている隔離のルールに違反したとして罰金支払いを命じられた男性が、実は隔離先から人違いで拉致された被害者だったと判明し、当局は罰金を撤回した。
司法当局の発表によると、この男性は昨年10月末に香港から台湾へ入り、隔離ルールに従って中部・南投県の友人宅に滞在していた。
ところが11月1日の夜、この家に借金取りのグループが押し入り、友人と間違えて男性を拉致した。グループは借金を取り立てた後、男性を解放したが、男性はこの事件で負傷したうえ、保健当局から隔離ルール違反の罰金約37万円を言い渡された。
事件を引き継いだ司法当局が調べた結果、男性は拉致されたとの主張が認められた。警察は現在、犯行グループを捜査しているという。
台湾はいち早い入国制限や隔離義務の徹底により、新型ウイルスの感染拡大を抑えてきた。
昨年12月には、フィリピンからの出稼ぎ労働者が隔離先のホテルで計8秒間廊下に出たとして、約36万円の罰金を言い渡されていた。また先月は、中国本土への出張から帰った男性が隔離期間中に外出を繰り返したとして、罰金約370万円の支払いを命じられた。