ナバリヌイ氏を病院に移送、健康状態に懸念 ロシア
モスクワ(CNN) ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナバリヌイ氏が収監中の刑務所から受刑者向けの地域病院に移送されたことがわかった。
連邦刑務所局(FSIN)は19日、ナバリヌイ氏がウラジミール地域にある別の刑務所の領域にある病院に移ったとの声明を出した。
声明によると、ナバリヌイ氏は「満足な」健康状態で、毎日医師の診察を受けるとしている。また、同氏の同意を得て「ビタミン治療」が処方されたという。
ナバリヌイ氏は「適切な医療」と外部の医師による診察を求めて3月31日からハンガーストライキを実施。同氏のチームではポクロフの刑務所ではそうした医療を受けられていないと訴えていた。
ナバリヌイ氏の広報担当者は先週末、同氏が「ひん死」の状態で、検査結果から腎不全や心臓の問題が起きる危険性が高まっているとの懸念を示していた。CNNは同氏の健康状態について独自に検証できていない。
同氏支持者らは移送先の刑務所病院の選択についても批判。ナバリヌイ氏の「反汚職基金(FBK)」の代表を務める人物は「同じ拷問の刑務所への移送だ」と述べた。
ナバリヌイ氏の健康状態を巡っては国際社会からも心配の声が上がっている。
米国のジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は18日、CNNの番組で、もしナバリヌイ氏が国家による拘束中に死亡したらロシアに制裁を科す選択肢を検討すると述べた。
欧州連合(EU)もロシアに対し、ナバリヌイ氏に同氏の信頼する医療専門家への「即座のアクセス」を認めるように要請した。
ロシアの十数人の政治家もプーチン大統領に対し、ナバリヌイ氏の命に対してプーチン氏は個人的に責任を負うとの公開書簡を送付した。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は公開書簡の署名者のほとんどを素性の知らない人物と言及。また、米国の反応について記者団に問われると、「ロシア連邦の受刑者の健康状態は他国の関心事項にはなりえないし、なるべきでもない」と述べ、取り合わない姿勢を示した。