米、ロシアに追加制裁 外交官追放も 選挙介入やサイバー攻撃受け
ワシントン(CNN) バイデン米政権は15日、ロシアに対する包括的な制裁と外交官の追放を発表した。ロシアによる2020年米選挙への介入や、米政府機関などへのサイバー攻撃、クリミア半島で続く占領や「深刻な人権侵害」を受けた措置。
バイデン氏は今週、これ以外にもアフガニスタン駐留米軍の撤退や、台湾への非公式代表団の派遣といった外交政策上の大きな措置を発表している。より強硬で実利的な対外姿勢への転換を示唆している可能性がある。
ブリンケン国務長官は14日、米国や北大西洋条約機構(NATO)を代表し、ウクライナ国境でのロシアの軍備増強に深い懸念を表明。13日には米情報機関が年次報告書で、ロシアは「米国に対し最大級に深刻な諜報(ちょうほう)上の脅威を突き付けている」と述べていた。
米国は今回、ソーラーウインズ製ソフトウエアのぜい弱性を利用した連邦政府および民間セクターへのサイバー攻撃に関与したとして、ロシア対外情報庁を正式に名指し。このサイバー攻撃や選挙介入に絡み、首都ワシントンに駐在するロシアの外交官10人の追放を発表した。この中にはロシア情報機関の関係者も含まれるという。
複数の米当局者は、大統領は追加制裁を望んでいないが、必要ならさらなる行動を取る用意があると明言した。一方、ロシア政府は、駐ロ米大使を外務省に呼び出して「難しい」会話を行ったとし、近く米国への対抗措置を発表する方針を示した。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)はCNNの番組で、バイデン氏の狙いはバランスを取ることにあると説明。「重大で確かな対応を取る一方、状況をエスカレートさせるつもりはない」としている。