空港でコロナ検査用の綿棒を使い回し、5人逮捕 インドネシア
(CNN) インドネシア警察は6日までに、国内の空港で最大1万人の乗客に新型コロナウイルス検査の綿棒を使い回した可能性があるとして、製薬会社の従業員5人を逮捕したことを明らかにした。
5人は国内製薬大手キミア・ファルマの従業員で、先月27日に逮捕された。迅速抗原検査用の綿棒などを洗って再包装し、北スマトラ州メダンにあるクアラナム国際空港の乗客に使い回していた疑いがある。
インドネシアでは、国内線の全乗客に対して搭乗前に陰性の検査結果を提出するよう要請。キミア社は同空港で検査キットを販売している。
警察によると、今回の不正行為は約4カ月にわたって続いていた。
北スマトラ州警察の報道官は、被害者の数については当局が依然捜査中だとしている。
報道官によれば、犯行が始まったのは昨年12月17日。1日あたり50~100人の顧客を相手にしていたと仮定すると、被害者の数は約1万人に上ると推定される。
逮捕された容疑者はインドネシアの保健法と消費者保護法に基づき訴追された。有罪となった場合、保健法では10年以下、消費者保護法では5年以下の禁錮刑が科される。
警察は強制捜査で5人を拘束した際、使い回された綿棒や包装に加え、現金1億4900万ルピア(約113万6000円)を発見した。1回の抗原検査の料金は20万ルピア。
世界4位の人口を誇るインドネシアでは、新型コロナの感染拡大がアジアで最悪の規模に達している。米ジョンズ・ホプキンス大学によると、パンデミック(世界的大流行)発生後の感染者は160万人以上、死者は4万6000人に上る。