モロッコで生まれた9つ子、今後待ち受ける戦いを病院が説明
対応に当たった医師らは、シセさんの血圧をコントロールするカルシウム拮抗剤と鎮痙(ちんけい)薬を投与。可能な限り出産を遅らせる目的でホルモン療法も行った。
対応を指揮した婦人科医は動画で、「適切な処置により出産を遅らせることができた。神をたたえよう」と語っている。
シセさんの陣痛が始まると、30人以上の医師や救急隊員が安全な出産に尽力した。病院責任者によると、シセさんは帝王切開中に出血したものの、現在の容体は安定している。
世界保健機関(WHO)によると、アフリカや南アジアをはじめとする地域では毎年、1500万人の赤ちゃんが未熟児として生まれている。内臓の発育不全など早産に起因する合併症は5歳未満の赤ちゃんの死因の筆頭を占め、多胎妊娠の場合は早産の可能性が高くなる。産後に効果的なケアを行えば、生存の可能性を大きく高めることが可能だという。