ベルギー、駐韓大使を召還 夫人が店員を平手打ち
韓国ソウル(CNN) ベルギーのピーター・レスクイエ駐韓大使夫人が韓国ソウル市内の商店で店員を平手打ちにした問題をめぐり、ベルギー外務省がレスクイエ大使の召還を発表した。
ベルギー外務省は5月28日に発表した声明で、レスクイエ大使が「平穏な状態で職務を遂行できない」ことがはっきりしたとしている。
レスクイエ大使夫人は今年4月、ソウル市内の商店で店員2人と口論になり、夫人が女性店員を平手打ちにする姿をとらえた防犯カメラの映像が出回った。
ソウル警察は当初、外交特権に阻まれて夫人を起訴することができないと説明していた。しかしベルギー側は、外交特権は放棄されたと述べ、「夫人が警察に全面的に協力することを約束する」と説明。夫人は店員2人と会い、「店内での容認できない行為」について謝罪する措置を講じたという。
こうした経緯を受けてベルギー外相は、この夏でレスクイエ大使の韓国での任期を終わらせることが、両国の関係にとって最善だと判断した。
レスクイエ駐韓大使は2018年に着任。今回の事件については大使本人や大使館が何度も謝罪していた。
騒ぎは4月9日に発生し、夫人が店員2人と口論する様子をとらえた防犯カメラの映像が広く共有されていた。発端は夫人が来ていたジャケットについて、店から盗んだ商品だと店員が勘違いしたことだった。
店員は匿名でCNNの取材に応じ、平手打ちされた女性は耳鳴りがして「精神的苦痛」を受けたと話している。