岐路に立つペルー、あす大統領選の決選投票
政策面では、両候補とも主要産業の鉱業に関連した改革を提案する。ただ、ケイコ氏が政府の手当を頼りに有権者へのアピールを展開するのに対し、カスティジョ氏は経済の構造改革を掲げる。
ケイコ氏は新型コロナで家族を亡くした全世帯に1万ソル(約28万円)の補償金を支払うとして、巨額の財政支出を公約。これに加え、中小企業の回復を支援する目的で100億ソルの融資も約束する。
一方、カスティジョ氏はコンガやティンゴマリアで進む鉱山プロジェクトの中止、年金制度の改革、公立大学の分権化、産業の押し上げをにらんだ科学技術省の創設を公約に掲げる。「国の富を奪う鉱山会社との契約を再交渉して、富を取り戻す」としている。
政治アナリストのフランシスコ・ツエスタ氏はCNNの取材に、「ペルーは現在、保健危機と経済危機のただ中にあり、ある意味でポピュリスト(大衆迎合主義者)的な提案を競い合っている状況だ」と指摘。世論調査の結果がますます拮抗(きっこう)する中、両候補とも有権者を引きつける狙いの提案に訴えていると説明する。