NATO首脳会議、ロシアの「脅威」と中国の「挑戦」に言及
(CNN) 北大西洋条約機構(NATO)は14日、ベルギーの首都ブリュッセルで首脳会議を開き、ロシアの「脅威」と中国による「挑戦」に言及した共同声明を発表した。
共同声明では「ロシアの攻撃的な行動は、欧州と大西洋の安全保障に対する脅威となる」と指摘。中国については、「中国の影響力拡大と国際政策は、我々が同盟機構として対処する必要のある課題を突き付けうる」とし、NATO加盟国は「NATOの安全保障上の利益を守ることを目的に中国と関与していく」と表明した。
NATOはまた、サイバー攻撃があれば相互防衛条項の発動につながりうるとの認識で一致。加盟30カ国の首脳は「重大で悪意ある累積的なサイバー活動の影響を受ければ、武力攻撃に相当するとみなされる可能性がある」との見解で一致した。武力攻撃に相当するとの評価が下された場合、加盟国間の相互防衛を定めたNATO条約第5条の発動につながる可能性がある。
記者会見では、バイデン米大統領が近く予定されるロシアのプーチン大統領との会談について聞かれる場面もあった。バイデン氏は会談の様子や議題について詳細な見通しを示すのは控えたものの、「レッドライン(越えてはならない一線)」がどこにあるのかを明確にするつもりだと表明した。
NATOの首脳はおおむね、アフガニスタン駐留米軍の撤退を決めた米国の判断を支持した。一部の米同盟国は首脳会議に先立ち、バイデン氏が9月11日までにアフガンから米軍を撤退させると発表したとき、事前に適切な相談が行われていなかったと不満を示していた。米軍撤退後のアフガンでどうやって治安を維持できるのか疑問視する声も出ている。
バイデン氏はNATOに対し、専制主義者や偽のポピュリズムに立ち向かうよう要請。「民主主義は今でも時代の課題に打ち勝ち、人々の必要とすることを実現できると世界や国民に証明する」よう改めて呼び掛けた。