EU、家畜のケージ飼育の廃止を計画 100万超の署名受け「歴史的決定」
(CNN) 欧州連合(EU)は、家畜のケージ飼育の禁止を求める請願で100万筆超もの署名が集まったことを受け、域内におけるケージでの家畜の飼育を段階的に廃止する方向で進めることを明らかにした。
EUの行政執行機関である欧州委員会は、ウサギやアヒル、ガチョウ、ウズラ、幼い雌鶏などの家畜のケージ飼育を段階的に縮小し、最終的には廃止するという立法措置を講じる展望を描いている。
同委員会が先月30日に発表した声明によると、2023年までに法案を提出し、27年までに一連の変更を導入したい考え。
ケージ飼育に関するEUの規制は現在のところ、採卵鶏、肉用鶏、雌豚、子牛のみ対象としている。
ステラ・キリアキデス欧州委員(保健衛生担当)は声明で、「動物たちは感受性を備えた存在であり、農場における動物たちの飼育状況がそうした存在に合ったものであることを保証する、倫理と社会的責任を私たちは持っている」と述べた。
動物愛護団体は今回の変更案を歓迎。
家畜動物の愛護団体「コンパッション・イン・ワールドファーミング」のEU担当者は「欧州委員会が、家畜動物のためのレガシーとなる歴史的決定を行った」と評価した。
ベルギー・ブリュッセルに本拠を置くロビー団体「ユーログループ・フォー・アニマルズ」によれば、今回の決定は欧州大陸の3億超に上る家畜に影響を与えるとしている。