中国、「物言う富豪」の孫氏に懲役18年 政府批判を公言
香港(CNN Business) 中国河北省高碑店市の裁判所は28日、中国政府への批判で知られる富豪の孫大午氏に対し、「騒動挑発罪」などで懲役18年を言い渡した。
孫氏は今年3月に逮捕されていた。同氏の企業「河北大午農牧集団」は国内に農業関係の事業を所有し、鶏肉加工やペットフード生産などの分野で約9000人の従業員を抱える。
高碑店市人民法院が微信(ウィーチャット)の公式アカウントに発表した声明によると、孫氏は群衆を集めて国家機関を襲撃した罪、公務執行妨害罪、騒動挑発罪などで有罪となった。
刑の一環で罰金311万元(約5200万円)の支払いも命じられている。
孫氏は2019年に起きたアフリカ豚熱の流行をめぐり、政府が流行の規模を隠そうとしていると公然と批判した中国で数少ない1人だった。この流行では最終的に、中国国内の豚1億頭以上が殺処分となった。
ロイター通信によると、地元メディアでは、孫氏が政府所有の農場と土地をめぐる争いになっていたとの報道もある。
人権団体の「中国人権擁護団体(CHRD)」は14日の声明で、孫氏が裁判にかけられたことについて、「人権への支持を理由に孫氏を処罰しようとするあからさまな試み」と指摘していた。
中国政府が国に縛られない実業家の統制を試みるなか、国内の民間企業に対する締め付けは強まっている。中国共産党が昨年9月に出した一連の指針では、民間セクターには「党の言葉によく耳を傾ける」「政治的に賢明な人間」が必要だとしていた。