岸防衛相、越えてはならない一線引く 尖閣諸島巡る中国との争い
日本にとっての台湾の重要性
日本最西端の島は九州本土から1125キロほど離れている。本土から沖縄の軍事基地やリゾート地の石垣島を越えて、小さな与那国島に到達する。
この小さな島の人口は2000人弱。中国が主権を主張する台湾からはわずか110キロの距離にある。
台湾と中国本土は70年以上前の内戦以降、別々に統治されてきた。
中国共産党が台湾を統治したことは一度もないが、中国は台湾を不可分の領土と見なしつづけている。
中国は台湾に対する軍事的圧力を強めている。6月には20数機の軍用機を台湾周辺に飛ばし、台湾は防空警戒態勢を強いられた。
中国の習近平(シーチンピン)国家主席は台湾は中国の支配下にある必要があると発言し、そのための武力行使を排除していない。
このような状況から、日本政府は警戒を続けていると岸氏は語る。
今年7月に発表された防衛白書には、台湾をめぐる情勢の安定は日本の安全保障にとって重要だとの記述があった。岸氏はそこで「緊張感」を持って注視すると述べた。
今回のCNNとのインタビューでは、その点を具体的に語った。
岸氏は「台湾で起こることは直接的な問題として考えている」と述べ、「エネルギーのライフライン」が台湾の周辺海域を通っていると言及。「90%のエネルギーはこのエリアを通して輸入されている」と指摘した。
これは日本政府の対処が必要となる弱い部分となる。
岸氏は「台湾で発生したことは日本の問題になってくる可能性が高いと考えている。その意味で我々は対処していかないといけない」と述べつつ、中台間の緊張は暴力ではなく対話を通じて解決されるべきだと強調した。