台北(CNN) 台湾の呉釗燮(ウーチャオシエ)外交部長(外相)が23日、CNNの単独インタビューに応じ、中国の台湾に対する軍事的な威嚇が増す中で、台湾は生じうる軍事衝突に「備える必要がある」との認識を示した。
中国は先週、台湾が宣言する防空識別圏に戦闘機や爆撃機など28機の軍用機を飛ばし、1日の飛来数としては過去最大を記録した。台湾の領空や国際法を侵す行為はなく、人民解放軍空軍による示威行動だったと見られている。
呉氏は「台湾の決定権者として、リスクはとれないので準備が必要だ」と述べ、「中国政府が武力の行使を放棄せず、台湾周辺で軍事演習を行うなら、それは本当にあると考えた方がいい」と警戒感をにじませた。
呉氏は2018年に外交部長に就任。記者会見で、中国から攻撃を受けたら「最後の最後まで戦う」と発言し、中国からは「筋金入りの分離主義者」と批判されている。
台湾関係の事務を担う中国の国務院台湾事務弁公室の報道官は、「『台湾独立』を止めるのは海峡間の平和関係維持に向けた必要条件だ」と述べ、独立をあおる呉氏のような分離主義者を厳しく処罰するためにあらゆる手を尽くすと語った。
呉氏は中国共産党のターゲットになるのは「光栄だ」と述べ、「独裁主義は真実に耐えられない。彼らが私を生涯追うと言い続けても、私はそれを本当に心配したりはしない」と語った。