30年近く逃亡続けた男が出頭、旧ユーゴへの送還恐れ オーストラリア
(CNN) オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ(NSW)州で、1992年に刑務所を脱獄して30年近く逃亡を続けていた男が警察に出頭した。
NSW州警察の15日の発表によると、男は92年7月31日の夜、弓のこぎりの刃とボルトカッターを使って刑務所から脱獄した。当時の捜索では発見できなかったが、同州ディーワイの警察署に12日、自ら出頭し、脱獄の容疑で逮捕された。
NSW州警察がCNNに確認したところによると、出頭したのはダルコ・デシック容疑者(64)。脱獄した当時は35歳だった。
デシック容疑者は14日に裁判所に出廷した。保釈は認められず、今月28日に再度出廷する。
CNN提携局9ニュースによると、デシック容疑者は92年当時、内戦のさなかにあった旧ユーゴスラビアに強制送還されたくないとの思いから脱獄していた。
逃亡中は「ダギー」の名で雑用をこなす便利屋として働き、最近はシドニーのノーザンビーチにあるアバロンの砂浜で寝泊まりしていたという。
地元住民のベル・ヒギンズさんはデシック容疑者支援のための寄付金を募るページを開設し、4時間で6000オーストラリアドル(約48万円)以上が集まった。