フィリピンのドゥテルテ大統領、政界引退を表明 副大統領立候補を取りやめ
(CNN) フィリピンのドゥテルテ大統領(76)は2日、来年5月の大統領選に副大統領選候補として出馬する予定を取りやめ、政界を引退すると表明した。国営フィリピン通信(PNA)が伝えた。
フィリピン大統領の任期は憲法で1期6年と定められ、再選が禁止されている。ドゥテルテ氏は次期大統領で与党の副大統領候補となる予定だった。しかしこの日、長年の側近であるボン・ゴー上院議員が副大統領への立候補を届け出て、ドゥテルテ氏もこれに同行した。
ドゥテルテ氏は最近の世論調査などに基づき、「私の立候補は憲法の精神に反するというのがフィリピン国民の圧倒的な意見だ」と述べたうえで、国民の意思に従って政界から引退すると表明した。
PNAによると、今年6月の世論調査では、対象の成人1200人のうち、同氏が副大統領候補となることは憲法の精神に反すると答えた人が60%を占めていた。
ドゥテルテ氏は2016年の就任以降主導してきた「麻薬戦争」をめぐり、退任後に国内や国際刑事裁判所(ICC)で訴追される可能性がある。副大統領の座に就くことで権力を維持し、訴追を回避しようとしているとも指摘されていた。
大統領選には、ドゥテルテ氏の長女で、同氏から南部ダバオ市の市長を引き継いでいるサラ氏の出馬が取りざたされている。またボクシング界のスター、マニー・パッキャオ氏が汚職撲滅を掲げて出馬を表明している。