オーストリア首相、ワクチン未接種者に在宅措置の考え
(CNN) オーストリアのシャレンベルク首相は12日、新型コロナウイルスのワクチンの未接種者を対象にした在宅措置を今週末から全国で実施すべきだとの見解を明らかにした。
同国インスブルックでの記者会見で述べた。首相は以前、同国のワクチン接種率は「恥ずかしいほど低い」とし、在宅措置を数日間内に実行に移す考えを示唆したこともある。
11日の会見では、「接種率が非常に高い州もあり、十分なワクチンの量も確保しているなかで恥ずべき状況」とも述べていた。
接種を完了したオーストリア国民は約65%で、欧州連合(EU)加盟国では最低水準の一つ。同首相は11日、未接種者が今冬、不安にかられるのは明白とも主張した。
同国では今年9月、集中治療室の病床の30%が新型コロナ患者で埋められた場合、未接種者に在宅命令を出す方針が決まった。現在は21%だが、感染拡大で急速に上昇しているともされる。
未接種者は既に、娯楽施設、レストランや美容院などから締め出されており、在宅措置が命令されればわずかな理由を除いて自宅での閉じこもりを迫られる。違反して外出すれば街頭などで目を光らせる警官の取り締まりに遭遇することにもなる。
同首相の発言を受け、感染規模が同国で最悪とされる北西部のオーバーエスターライヒ州の知事は同様の対策を直ちに打ち出す方針を発表した。
世界保健機関(WHO)によると、欧州は現在、感染者や死者が増加している世界で唯一の地域で各国は新たな対策を迫られている。ロイター通信によると、感染者数が急増するオランダでは12日午後、3週間の部分的なロックダウン(都市封鎖)が発令された。