ウクライナ情勢の外交努力、ナチス宥和の協定時に類似 英国防相
英国は第2次世界大戦で直接の交戦国の一員となったが、今回のウクライナ危機が軍事衝突につながった場合でも部隊を同国に送りこむ方針は示していない。代わりに北大西洋条約機構(NATO)の防衛力強化に軸足を置き、ウォレス国防相はウクライナへの軍事侵攻が発生すれば英国の国防費を引き上げるとロシアに正面から警告もしている。
サンデー・タイムズ紙との会見では、ロシアがウクライナへ侵攻すればプーチン大統領が望まない二つの事柄が起きるだろうと強調。
一つはロシア国境線でのNATO部隊の増強とし、ロシアと接するバルト海諸国やほかの隣国はウクライナ侵攻によって起きる地政学的な不安定さを一層恐れることになるとの背景要因に注意を向けた。
二つ目はNATO加盟の全30カ国に軍事費増大を迫ることであり、ロシアにとってはより強力な敵対国が出現することを意味すると牽制(けんせい)した。