イタリア首相、対ロ制裁でエネルギー輸入の除外促す 国内事情訴え
(CNN) イタリアのドラギ首相は20日までに、ロシアがウクライナへの軍事侵攻に踏み切った場合、欧州連合(EU)が打ち出す準備をしている制裁の内容に触れ、エネルギー源の輸入は含まれるべきではないとの見解を示した。
ロシアからの天然ガス供給が減った場合、イタリアがほかの供給元から手当てが出来るメカニズムを考えるべきとも記者団に主張した。
同首相はほかの欧州同盟国との協議で、イタリアは制裁の範囲は可能な限り狭くして、エネルギー分野を除外することを説いたと説明。
制裁は侵攻の形態に準じ、エネルギー源調達を阻止するような内容にならないことを期待するとした。エネルギー源確保に関する制裁は他国よりイタリアにより多く悪影響を及ぼすと強調もした。
他国とのエネルギー源の違いにも言及し、ドイツは石炭、天然ガスや徐々に閉鎖させているものの旧式化した一部の原発は稼働を続けていると指摘。フランスは原子力を持ち、天然ガスも使っているとし、イタリアは天然ガスの利用のみで原発も石炭火力もないと訴えた。
EUがロシアにエネルギー面での制裁を打ち出した場合、「イタリアがその悪影響をより大きく受けるのは明白」とも述べた。
ロシアのプーチン大統領と電話会談した際、イタリアへの天然ガス供給の維持や必要なら増やす可能性も示唆されたと指摘。ただ、プーチン氏のこの歩み寄りについては自国の政策、ほかの同盟国との関係やEUが打ち出す制裁内容による影響を考慮して対応するのは当然とした。