ロシアで反戦デモの逮捕者6400人超、国営テレビは報道せず
モスクワ(CNN) ロシア軍のウクライナ侵攻が始まって以来、ロシア国内で反戦デモに参加していた6400人以上が逮捕された。しかし参加者が拘束される様子は国営テレビでは一切報道されていない。
ロシア語の署名嘆願サイトには1日午前までに、ウクライナでの戦争に反対する署名が100万以上も集まった。
モスクワ市内は主要道を警察車両が巡回し、歩道では暴動鎮圧の警官隊が威圧、かつてデモ隊がよく利用していたプーシキン広場は巨大な金属バリケードに囲まれている。
ロシア政府は、デモに参加すれば逮捕されて前科者になり、自分の将来に汚点を残すと警告している。
プーチン大統領が自身に対する国民の怒りを公にする理由は何もない。政府寄りの新聞や雑誌、ウェブサイト、テレビ局は反ウクライナの宣伝を繰り返し、自分たちの兄弟や息子、夫が戦争に送られる理由、遠く離れた場所で死ぬかもしれない理由を正当化しようと努める。
ロシア政府は独立系メディアを実質的に弾圧し、残るメディアも黙らせている。先週は10社に国の監視当局から通知が届き、各社の発行媒体の利用が「制限される」という脅しの下に、「侵略」「攻撃」「宣戦布告」という言葉を使わないよう警告された。
ただ、若い世代は国家の流す偽情報を意図的に無視して育ち、代わってSNSに頼るようになった。
抗議デモが始まった2月24日夜にCNNが取材した若い女性は涙を浮かべながら、ロシアのことは愛しているが、ロシアの指導者は愛していないと語り、だから出国を決意したと打ち明けた。
一方、ロシア国有世論調査機関の最新調査によれば、国民の68%が「特別軍事作戦」を支持すると答え、反対は22%にとどまった。10%は答えるのが難しいと回答した。