ロシア軍の大半、キエフの25キロ圏内に到達か 各地で「町が消滅」
(CNN) ロシア軍の侵攻が続くウクライナ情勢について、英国防省は12日、部隊の大部分が首都キエフ中心部から25キロの圏内に到達したとの見方を示した。地方でも激しい攻撃が続き、ゼレンスキー大統領は複数の町が「消滅した」と訴えた。
南部の港湾都市マリウポリの衛星画像には、複数のアパートやガソリンスタンドが破壊され、炎上する様子が写っている。
国際NGO「国境なき医師団(MSF)」の緊急対応担当者はCNNとのインタビューで、同市は現在、大惨事の局面にあるとの見解を示した。
キエフの西約50キロに位置する村マカリフからは、ロシア軍の空爆によるとみられる被害状況の画像がSNSに投稿され、CNNが真偽を確認した。アパートや学校、医療施設が標的になったとみられ、破壊されている。
ゼレンスキー氏は12日の記者会見で、「いくつかの小さな町はもはや存在しない。これは悲劇だ。町は消滅し、人々が永遠に消えた。われわれ全員が前線にいる」と語り、同日までにウクライナ兵約1300人が死亡したと述べた。
国連からの最新の報告によると、ウクライナではロシア軍の侵攻が始まってからこれまでに民間人579人が死亡、1002人が負傷した。死者のうち42人、負傷者のうち54人は子どもだという。
ロシアのプーチン大統領は12日午後、マクロン仏大統領、ショルツ独首相との電話会談に応じた。仏大統領府の当局者はCNNに、プーチン氏は依然として「ウクライナでの目標を達成する決意」が固いとみられるが、仏独首脳との対話を続けていることから、外交解決の可能性を排除していないことがうかがえると語った。
一方でウクライナのクレバ外相は同日、対話は続いているものの、ロシア側は依然として無理な要求を提示してくると指摘。プーチン氏の思考に外交の余地はほとんどないと、悲観的な見方を示した。