ウクライナ、イスラエルの避難民対策を非難 受け入れ枠設定で
(CNN) ロシアの侵攻に抗戦するウクライナ政府は20日までに、同国の避難民の受け入れ枠を設けているイスラエルを危険な目に遭っている人々への逃げ場所の提供を拒んでいるとして非難した。
在イスラエルのウクライナ大使館はフェイスブック上の声明で、「ロシアはウクライナ人の集団殺害(ジェノサイド)を犯し、一方でイスラエル政府は全てのウクライナ人避難民を徹底的な手法で調べている」と批判。
戦禍にあるウクライナを脱した女性や子どもに対する受け入れ枠や人為的な障害の廃止を求めるとした。
これに対しイスラエルの人口・移民問題担当当局の責任者は地元紙「イディオト・アハロノト」の取材に、世界は問題だらけだが、そのことが人々を無制限に迎え入れることにはつながらないとし、国の入り口を誰にも開放するわけにはいかないと主張した。
イスラエルの国内法では、少なくとも1人の祖父母がユダヤ人の場合、家族と共に同国の市民権を得られる権利がある。この法に従った場合、入国出来るウクライナ人の人数は無制限となっている。イスラエル政府当局者は、同法を踏まえ最多で10万人のウクライナ人やロシア人が殺到する事態にも備えていた。
また、イスラエル国民はユダヤ人でないウクライナ人の家族の入国許可の申請を受け入れ枠とは無関係に出来る権利も持っている。
この2つの権利が適用し得る該当者とは別に、イスラエル政府は家族絡みの要因がないウクライナ人の入国許可に関しては5000人の上限枠を設定。イスラエル国民との家族関係を有したり、関係がなかったりする避難民には3カ月間有効な観光ビザを最初に発給し、戦争が長引いた場合は就労許可も付与する可能性があるとの立場を示していた。
このなかでウクライナの駐イスラエル大使はCNNの取材に、テルアビブのベングリオン国際空港で最近、ウクライナ人12人が入国許可の不所持を理由にポーランドへ送り返された事例に言及した。
ウクライ大統領府のイエルマーク長官もフェイスブックに投稿し、イスラエル指導者によるウクライナ人を対象にした最近の入国規制は驚きの対象とし、早急な是正を求めた。