ウクライナ国民の4分の1が避難、9割は女性と子ども
(CNN) 国連難民高等弁務官は20日、ロシア軍のウクライナ侵攻を受けて1カ月足らずで少なくとも1000万人が避難を強いられたことを明らかにした。
ウクライナの人口は2020年の世界銀行の統計で4400万人。つまり国民のほぼ4分の1が避難したことになる。
国際移住機関(IOM)が18日にまとめた数字よると、2月24日に衝突が始まって以来、ウクライナ国内で避難した人は、3月16日現在で648万人に上る。
残る人たちは近隣国のポーランド、ルーマニア、モルドバ、ハンガリー、スロバキア、ロシア、ベラルーシなどに避難した。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は17日、ウクライナを離れた310万人のうち、90%以上を女性と子どもが占めると述べ、ジェンダーに根差す暴力や、人身売買を含む搾取や虐待のリスクが高まる恐れがあると警鐘を鳴らした。
国連児童基金(ユニセフ)報道官は20日、CNNに対し、ロシアの侵攻によってウクライナの子ども150万人が難民となり、330万人が国内避難民になっていると指摘。「それぞれの子どもが生活を引き裂かれ、世界をひっくり返されている」と語った。
国連によると、紛争が始まってからの3週間で200万人がウクライナからポーランドに逃れ、100万人以上は別の近隣国に避難した。
UNHCRの推計によれば、先週の時点で49万人がルーマニアに、35万人がモルドバに、28万人がハンガリーに、22万8000人がスロバキアに避難している。
欧州諸国もウクライナ難民を積極的に受け入れている。フランス内相は21日、1万人以上がフランスに到着したと説明。一方、ドイツ内務省は17日、18万7000人以上の難民が到着したと述べた。ポーランドとドイツの間には国境検問がないことから実際の数字はこれよりずっと多い可能性があるとしている。