香港、コロナ対策緩和 米英などからの旅客機乗り入れ禁止を解除
香港(CNN Business) 香港政府は21日、新型コロナウイルス対策として米英など9カ国からの旅客機乗り入れを禁止してきた措置を、来月1日から解除すると発表した。
林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が同日の記者会見で発表したところによると、米英のほかオーストラリア、カナダ、フランス、インド、ネパール、パキスタン、フィリピンからの旅客機乗り入れを再開し、ワクチン接種済みの香港住民が帰還できるようになる。
9カ国からの乗り入れは今年初め、オミクロン株による感染拡大を受けて禁止していた。林鄭氏はこの措置について、すでに香港と域外諸国の感染状況に差がないことから、不要になったと説明した。
林鄭氏はさらに、世界各地から香港に帰還するワクチン接種完了者のホテル隔離期間を、14日間から7日間に短縮すると発表した。5~7日目の検査で陰性判定が出れば、残り7日間は自主隔離を認められる。
香港は現在、感染の第5波に襲われ、死者の増加や医療ひっ迫、経済への大きな打撃に直面している。それでも政府はこれまで、いわゆる「ゼロコロナ」政策の下、厳しい制限措置を続けてきた。入境者のホテル隔離は最近まで3週間と、世界でも最長クラスだった。
林鄭氏は先週、国際経済における香港の立場を改善するため、水際対策を見直す必要があると述べていた。21日の記者会見でも、経済再建の準備を進める必要があると強調した。
香港からは最近、教育を受けた人材の流出が目立つ。移住関連の統計によると、先月は9万4000人が域外へ流出したのに対し、流入は2万3000人。今月前半も5万人あまりが流出し、入ってきたのは7000人だった。