ウクライナ東部イジューム、中心部のインフラ破壊 新たな衛星画像
(CNN) ウクライナ東部イジュームをとらえた新たな衛星画像から、同市の破壊の規模が明らかになった。複数の市当局者によると、周辺部での激しい衝突の結果、街の大部分は破壊されたという。
衛星画像は米衛星運用会社マクサー・テクノロジーズが24日に撮影したもの。
画像には市中心部の野原にぽっかり空いた幅約12メートルの巨大な穴が写っている。穴の隣には焼け焦げた学校の校舎、別の側にはサッカー場がある。道路を挟んだ向かい側には部分的に損壊した病院も見える。
大型のボイラー施設と周辺の住宅が破壊された/Maxar Technologies
ロシアがウクライナ北部ハリコフ州と最東部の拠点の接続を試みるなか、イジュームは戦火に巻き込まれることになった。
市内では依然として激しい戦闘が続くものの、関係者は24日のCNNの取材に、街はすでにロシアの航空機や火砲で「完全に破壊」されたと明かした。
イジュームに向かって南下する自走砲の車列/Maxar Technologies
学校の北では大型のボイラー施設や付近の住宅が破壊されている様子だが、市中心部のこの一帯に識別可能な軍事目標は見当たらない。
イジュームの北西約5キロの場所をとらえた画像では、自走砲の車列が同市に向かう様子がうかがえる。市の北東約4.8キロにも野原に陣取る自走砲が見え、砲塔をイジューム中心部に向けている。
野原に展開するロシアの自走砲。砲塔をイジューム中心部に向けている/Maxar Technologies
別の画像には車両用の橋が部分的に破壊された様子が写っており、川を渡って進軍するロシア軍を阻止するための意図的な攻撃とみられる。
ただ、ロシア軍は迂回(うかい)路を発見し、現在は南からイジュームに向かっている。
川に架かった浮橋/Maxar Technologies
ロシア軍は爆破された橋を迂回するため、川に2つの浮橋を設けた。これらの橋から1.6キロ離れた場所では、戦車の車列が幹線道路でイジュームのウクライナ支配地域に向かう様子も見られる。