ロシア軍高官、軍事作戦の「第1段階は完了」 東部に注力と主張
(CNN) ロシア軍高官は25日、ウクライナでの軍事戦略について詳細な説明を行い、ロシアの軍事計画の「第1段階」は完了したと主張した。現在はウクライナ東部に重点を置いているとしている。
セルゲイ・ルドスコイ第1参謀次長はこの日の会見で、「作戦の第1段階の主な任務はおおむね完了した」と主張。「ウクライナ軍の戦闘能力は大幅に削減され、ドンバスの解放という主要目標の達成に注力することが可能になった」とした。
首都キエフや北東部ハリコフなどウクライナ主要都市の周辺では、このところロシアの進軍が停滞しているように見える。ロシアはウクライナでの航空優勢を獲得できておらず、侵攻開始以来、多大な人的損失を被っている。
ルドスコイ氏はウクライナの都市で行っている封鎖について、ウクライナ軍の軍事インフラや装備品、要員に打撃を与える狙いがあると説明。この結果、ウクライナ軍を縛り付けておきドンバスに集結させないこと、ロシア軍が「DPRとLNRの領土を完全に解放」するまでその状態を継続することが可能になっていると述べた。
DPRとLNRはそれぞれ「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」のことで、ロシアが侵攻直前に国家承認したウクライナ東部の分離派支配地域を指す。
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナでの「特別軍事作戦」の目標は同国の完全な武装解除にあると主張。戦争は計画通り進んでいるとしているものの、ロシア軍は甚大な損失を被っている。
ルドスコイ氏は同じ会見で、ロシア軍の要員1351人が死亡、3825人が負傷したと述べた。ただ、米国や北大西洋条約機構(NATO)、ウクライナの当局者の推計では、ロシア軍の死傷者数はこれを大幅に上回る。
ルドスコイ氏の発言がロシア軍の目標修正を暗に意味するのか、単なる対外的な説明の変化なのかは不明。