ウクライナ検察、ロシアの戦争犯罪5800件を捜査
ワシントン(CNN) ウクライナの検事総長は11日、ロシア軍が関与したとされる戦争犯罪5800件について捜査していることを明らかにした。
ベネディクトワ検事総長はCNNの取材に対し、これまでにロシアの政治家や軍人、プロパガンダ関係者を含む容疑者500人以上を特定したと述べ、こうした容疑者が「この戦争を望み、この戦争を始め、この戦争を続けている」と強調。国際刑事裁判所の役割は認識しているとしながらも、「こうした戦争犯罪人をウクライナの裁判所に起訴したい」と語った。
ウクライナでロシア軍が関与したとされる残虐行為をめぐっては、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を戦争犯罪の罪で追及すべきだとの声が強まっている。首都キーウ(キエフ)郊外のブチャでは今月初め、少なくとも20人の遺体が道路に散乱している様子が伝えられ、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアの「戦争犯罪」を終わらせなければならないと訴えた。
一方、ロシア側は関与を否定し、証拠を示すことなくブチャの残虐行為はやらせであり、「計画的なメディアキャンペーン」の一環だと主張している。
ベネディクトワ検事総長は11日、ブチャを何度も訪れたと述べ、住民は今も集団埋葬地から遺体を掘り起こしていると指摘。「これは戦争犯罪にとどまらない。数多くの人道に対する罪だ」との認識を示した。
国際刑事裁判所で戦争犯罪を担当する検察トップは捜査のためにウクライナを訪問した。在キーウ米大使館は、戦争が始まってから数日間のロシア軍の特定の攻撃が戦争犯罪に当たるとしている。