NATO、ロシアの軍事衝突回避が最優先 重火器譲渡拒む独首相
(CNN) ドイツのショルツ首相は22日、ウクライナ戦争に関連し、北大西洋条約機構(NATO)は第3次世界大戦につながり得るロシアとの直接的な軍事衝突を回避しなければならないとの認識を示した。
22日発行の同国週刊誌シュピーゲルとの会見で、ドイツがウクライナへ重火器を提供しない理由を問われた際に述べた。
ウクライナへの戦車の譲渡が核戦争の勃発(ぼっぱつ)を引き起こしかねないとする見解に関する質問には、「現在の状況を踏まえれば我々がどの段階でウクライナ戦争の当事者とみなされるのかを決めてくれる規則集はない」と答えた。
取るべき措置を非常に注意深く吟味し、ほかの国と密接に調整する対応がますます重要になっているゆえんであるとし、「ロシアとNATOの間の緊張激化を防ぐことが私にとっては最優先課題」と論じた。
その上で、この考えに基づき世論調査の結果にこだわらず、甲高い要求に自らがいらだたないようにしていると説明。「間違いを起こした場合、その結果は極めて重大なものになる」とも説いた。
ショルツ首相は、ロシア軍のウクライナ侵攻が新たな、決定的な局面に達しかねない事態のなかで、戦車や榴弾(りゅうだん)砲など大型兵器のウクライナへの引き渡しをためらっていることでドイツ内外で批判されている。
首相は会見で、ドイツやNATOがウクライナ戦争の直接的な当事者になることは正当化されないと判断しているとした。
また、ロシア産天然ガスの禁輸がウクライナ戦争を終結させるとは決して考えてもいないと指摘。「まず第一に、ロシアのプーチン大統領が経済的な議論を受け入れるのなら、この狂気じみた戦争を始めていなかっただろう」とさとした。
次にお金の問題ではなく、後になって元通りの状態に戻らないような数百万の職や工場の喪失を招く大規模な経済危機の回避の問題であるとした。