ウクライナ東部ルハンスク州、領域の8割がロシア支配下に 地元軍事指導者
(CNN) ウクライナ東部ルハンスク州の軍事指導者、セルヒイ・ハイダイ氏は、21日までにCNNのインタビューに答え、同州の領域の80%が現在ロシアの支配下にあると明らかにした。ウクライナ側が抵抗しなければ、ロシアがさらに侵攻してくるのは間違いないとしている。
非公開の場所で取材に応じたハイダイ氏は、戦争が第2の局面に入ったとするロシア側の見方に同意しつつも、いまだ「完全かつ総力を結集しての侵攻」には至っていないと警鐘を鳴らした。
同氏によると、ロシア軍は戦線を大きく広げ、多数の町を守るウクライナ軍を包囲しようとしているが、今のところいかなる成果もあげていない。ウクライナ側は首尾よく敵の装備を破壊しているという。
ただルハンスク州の全領域が砲撃を受けており、安全な町は一つもない。ロシア政府に攻勢を緩める考えはないとみており、現在は可能な限りすべての住民を避難させようとしていると、ハイダイ氏は述べた。
戦闘の激化を受け、同氏はウクライナ東部からの退去を住民に呼び掛けている。戦争が始まる前、同州のウクライナ側の支配地域には35万人が暮らしていたが、現在残っているのはそのうち7万人だという。
「大半の人々は自前の交通手段や国の運行するバス、ボランティアを活用して退去した。人道回廊がいつ設置されるのかは全く分からないが、避難は毎日行っている。問題はロシアが常に合意を破るということだ。砲撃は停止するはずの時間帯であっても継続されている」(ハイダイ氏)
休みなく続く砲撃により送電網や給水設備は破壊された。領域内に残る70万人の多くは掩蔽壕(えんぺいごう)や地下室などでの生活を余儀なくされているという。