ウクライナ侵攻のロシア軍、レイプを「戦争の道具」に 人権団体が主張
ウクライナ・リビウ(CNN) ロシア軍がウクライナに侵攻し、首都キーウ(キエフ)に迫ってきた時、アンドリー・デレコさんは22歳の継(まま)娘、カリナ・エルショバさんに、当時住んでいた郊外の町ブチャから退去するよう懇願した。
しかしエルショバさんは、「戦争なんて起きない」と取り合わなかった。ブチャのすし店で働きながら、将来学位を取るのを希望していたという。
3月になり、ロシア軍の兵士がブチャを包囲すると、エルショバさんは友人2人とともにアパートに隠れた。デレコさんに入った最後の連絡の一つは、アパートを出て近くのスーパーに食料を買いに行くという内容だった。
連絡が途絶えたまま数週間が経ち、家族は必死の思いでエルショバさんの消息を探った。そんな中、母親の友人からエルショバさんと同じようなタトゥーを入れた女性の遺体の画像がテレグラムに投稿されていると告げられた。
画像を投稿したブチャの捜査員は、ロシア軍が町から撤退した後に発見された数百人の遺体の身元特定に当たっていた。
デレコさんは上記の画像について、エルショバさんの切断された遺体だと説明。警察からは、ロシア軍に殺害されたと告げられた。
エルショバさんは拷問されたか、抵抗したようだと、デレコさんは話す。遺体は脚とこめかみを銃で撃たれていた。
ロシア軍から性的虐待も受けたと、デレコさんは考えている。「(警察の)捜査員がレイプ被害に遭ったことをほのめかした」からだ。
CNNはこうした訴えを独自に立証できていない。事件を管轄する当局者らは、捜査中であるのを理由にCNNへのコメントを控えた。CNNはキーウの検察当局にコメントを求めている。