製鉄所への攻撃続く、「恐ろしい人的代償」の懸念 マリウポリ

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復活祭(イースター)を迎え、教会から出てくる女性=24日、ウクライナ・マリウポリ/Alexander Ermochenko/Reuters

復活祭(イースター)を迎え、教会から出てくる女性=24日、ウクライナ・マリウポリ/Alexander Ermochenko/Reuters

(CNN) ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領府長官顧問は、ロシア軍に包囲された南部の要衝マリウポリの状況について、正教会の復活祭(イースター)に当たる24日もロシア軍がアゾフスターリ製鉄所を継続的に攻撃していると語った。製鉄所はウクライナ軍に残されたマリウポリ最後の重要拠点。数百人の市民や負傷兵が身を寄せている。

ウクライナの指揮官は24日、イースターのメッセージの中で「敵は空中爆弾を投下し続け、船舶が砲撃し、大砲を発射し、敵の戦車が攻撃を続け、歩兵隊が突撃を試みている」とした。

アゾフスターリ製鉄所では、ウクライナ軍に組み込まれた「アゾフ連隊」が軍とともに抵抗を続けている。

同製鉄所を保有する企業の経営者は21日、製鉄所は壊滅に近い状態にあるとCNNに語っていた。

ウクライナ当局の推計では、民間人10万人以上がマリウポリからの避難を必要としている。製鉄所には民間人が何週間もの間避難しており、物資が底を尽きかけている。イリーナ・ベレシュチュク副首相は21日、製鉄所には「約1000人の民間人と、500人の負傷兵がいる」と語っていた。

アゾフスターリ製鉄所の防空壕(ごう)に立てこもる女性や子どもが日の光を見ることはほとんどない。「ここから出てお日さまが見たい。もう2カ月もここにいる」。ある少年はそう語った。

赤十字国際委員会(ICRC)は24日、マリウポリは緊急に人道支援を必要としていると述べ、ICRCは市民を同地から避難させようと何度も試みていると説明。「刻一刻と経過するにつれ、恐ろしい人的代償を伴う」と訴えた。

ウクライナ議会人権委員によると、ロシアはマリウポリの住民を極東地域に強制移送しているとされる。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は先週、ロシア軍がマリウポリの「解放」を達成したと主張した。これに対してウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は、マリウポリは陥落しておらず、ウクライナ軍が抵抗を続けていると主張する。

ゼレンスキー大統領は23日、もしもマリウポリでウクライナ人がロシア軍に殺害され、ロシアが占領地で「まやかしの」住民投票を実施すれば、ウクライナはロシアとの交渉を中止すると警告した。

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