マリウポリからの市民退避、「治安上の理由」で一時停止
(CNN) ロシア軍の軍事侵攻が続くウクライナ東南部マリウポリの市議会によると、同市でようやく始まっていた市民の退避が1日、「治安上の理由」でいったん停止された。
市議会はSNS「テレグラム」への投稿で、退避は現地時間の2日午前8時、市内のショッピングセンター付近で再開するとの見通しを示した。
ウクライナのゼレンスキ―大統領はこの数時間前、同市のアゾフスターリ製鉄所に閉じ込められていた市民らの退避が始まったと発表。100人以上がすでに政府支配地域のザポリージャへ向かっているとツイートした。
赤十字国際委員会も退避の開始を確認し、29日に出発した避難用の車列が翌朝、230キロ離れたマリウポリに到達したと述べていた。
だが現地にいるウクライナ軍部隊の司令官が国内のテレビ局に語ったところによると、第1陣の退避が完了した直後に、ロシア軍が製鉄所への攻撃を再開したという。
製鉄所内には負傷者数十人を含む数百人が残っている模様。最新の衛星画像には、敷地内の建物がほぼすべて破壊された様子が写っていた。
ロシアのラブロフ外相は1日、イタリアのテレビ局とのインタビューで、ウクライナ側が製鉄所からの「撤退」に全力を挙げるのは、中に立てこもって抵抗を続ける「過激派」の中に欧米諸国の傭兵や軍要員が含まれているからだと主張した。
当局者らによれば、マリウポリ市内には今も約10万人が残っているとみられる。市議会は1日、人道回廊を通ってザポリージャへ避難できる可能性があるとして、市民らに向け、同日午後4時に市内のショッピングセンター周辺へ集合するよう呼び掛けていた。