「ヒトラーにユダヤ人の血」、ロシア外相の発言にイスラエル猛反発
(CNN) ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が1日、ナチス・ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーに「ユダヤ人の血」が流れていると発言し、イスラエルが猛反発している。
イスラエルのヤイル・ラピド外相は2日、「ラブロフ外相の発言は言語道断であり許しがたい。恐ろしい歴史的過ちでもある」と非難した。
ラブロフ外相は1日、イタリアのテレビ番組の中で、ロシアが侵攻する目的はウクライナの「非ナチ化」にあるとの主張を繰り返した。
さらに、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領がユダヤ系であることにラブロフ外相は言及し、自身がユダヤ系であればウクライナにナチス主義はありえないというのがゼレンスキー大統領の持論だとした上で、「私は間違っているかもしれないが、ヒトラーにもユダヤ人の血が流れていた。そのことに何の意味もない。最も過激な反ユダヤ主義者は大抵の場合ユダヤ人だと、賢明なユダヤの人たちは言っている」と発言した。
イスラエル外務省は2日、ラブロフ外相の発言をめぐり駐イスラエル・ロシア大使を呼び出した。
イスラエルにあるホロコースト記念館ヤド・バシェムのダニ・ダヤン氏は、ヒトラーがユダヤ系だったとする主張は「事実無根」だと強調している。
ウクライナのドミトロ・クレバ外相は2日、「ラブロフ外相は、ロシアのエリート層の根深い反ユダヤ感情を隠しきれなかった」とツイートした。