南アで再びコロナ感染拡大、米専門家が注視
(CNN) 南アフリカで新型コロナウイルスの症例数が急増し、米国の公衆衛生専門家が状況を注視している。過去の感染によって獲得した免疫がどう影響するかを見極めたい意向だ。
南アフリカでは昨年、新型コロナウイルスのオミクロン変異株が初めて発見され、世界的な連鎖反応を引き起こした。12月に感染拡大のピークを過ぎると南アフリカの症例数は減少したが、今回、再び増加に転じ、陽性率や入院数も増えて、同国は感染の第5波に入る可能性もある。
同国の感染拡大は、世界保健機関(WHO)が注視するオミクロンの新たな派生株「BA.4」「BA.5」と関係がある。
南ア国立感染症研究所によると、4月末までにBA.4とBA.5は、新規の症例のほぼ60%を占めるようになった。
同国の調査では、BA.4とBA.5は過去の感染で獲得した抗体をかわして新たな感染の波を引き起こし得る一方で、ワクチンを接種していればその可能性は低いことが分かっている。同国の国民のほとんどはワクチンを接種しているか、コロナ感染の経験がある。
南アフリカの専門家は「我々はこのウイルスにうんざりしているが、ウイルスは我々にうんざりしていないのかもしれない。過去の感染で獲得した免疫力の低下を深刻に受け止める必要がある」とツイートした。
学術研究機関が運営する感染情報サイトの「Outbreak.info」によると、BA.4は世界15カ国と米10州で報告され、BA.5は13カ国と米5州で発見されている。
ホワイトハウスのコロナ対策調整官だったデボラ・バークス氏は1日、南アの状況を前提とすると、米国は再度の感染拡大の可能性に備える必要があるとの認識を示した。