ロシア富豪の390億円の豪華ヨット、フィジー当局が押収 米要請受け
(CNN) フィジー当局は5日、米司法省の要請を受けてロシアのオリガルヒ(新興財閥)のスレイマン・ケリモフ氏が所有する3億ドル(約390億円)のヨットを押収した。
「フィジー当局は制裁を受けたロシアのオリガルヒ、スレイマン・ケリモフ氏が所有する全長348フィート(約106メートル)の豪華ヨット、アマデア号を差し押さえる令状を執行した」と司法省の報道資料にはある。
フィジー当局は米連邦捜査局(FBI)とともに、米国が発行した令状に従って押収した。「国際緊急経済権限法(IEEPA)、マネーロンダリング(資金洗浄)および陰謀を含む米法律違反の相当な理由に基づき、アマデア号は押収対象となった」と資料にはある。押収は司法省の特別班が指揮した。
ケリモフ氏は「クリミア占領などロシア政府の汚職とその世界的な悪意ある活動によって利益を得るロシア人オリガルヒグループの一員」として米財務省の制裁対象となっている。
財務省はまた、ケリモフ氏がロシア連邦政府の役人であり、連邦評議会のメンバーであることも確認した。同氏はロシアの金融グループ「ナフタ・モスクワ」のオーナーでもある。欧州連合(EU)によると、ケリモフ氏とその家族の純資産は98億ドルと推定されている。
「今回のヨット差し押さえは、腐敗したロシアのオリガルヒが世界の辺境にさえ隠れることができないことを示している。我々は、ロシアのウクライナにおける不当な戦争に対応して科された制裁を執行するためにあらゆる手段を用いる」とモナコ米司法副長官は警告した。