世界の子ども60万人に栄養治療食が届かない恐れ ウクライナ危機で
(CNN) 国連児童基金(ユニセフ)は17日までに、ロシアのウクライナ侵攻や燃料費の高騰により、世界で新たに栄養失調の子ども最大60万人が、治療食を受け取れないまま放置されるとの懸念を指摘した。
ユニセフによると、ピーナツや砂糖、油、粉ミルクを混ぜてペーストにした高エネルギーの栄養治療食「RUTF」の価格は、今後半年で最大16%上昇する見通し。
ロシアとウクライナは農産物の主要な輸出元だが、ウクライナ侵攻で供給が滞っている。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に端を発するサプライチェーン(供給網)の混乱や干ばつなども、価格の高騰に拍車をかけているという。
ユニセフのラッセル事務局長は、ウクライナの戦争が世界の食料安全保障を圧迫する前から、紛争や気候危機、新型コロナによって、家庭で子どもたちに十分な栄養を与えられないケースが増えていたと指摘する。
ユニセフの推計によると、世界で現在、少なくとも1000万人の子どもたちが、重度の衰弱状態にありながらRUTFの配布を受けられていないという。