リトアニア、ロシア産エネルギー輸入を全面停止 ポーランドは協定破棄
(CNN) バルト海のリトアニアは28日までに、石油、電力や天然ガスを含むロシア産のエネルギー源の輸入を完全に停止したと発表した。
同国のクレイビース・エネルギー相は声明で、エネルギー源の独立的な確保へ向けた極めて重要な節目であり、ウクライナとの団結への表明であると強調。「我々はロシアが戦争遂行に必要としている資金源を封じなければいけない」とも説いた。
輸入停止は今月22日からで、同省は欧州の広範な地域を市場にする電力取引所「ノルドプール」がバルト諸国圏の唯一の輸入元であるロシアの電力企業「インターRAO」との電力供給の取引の停止を決めたと指摘。結果的にリトアニアがロシア産エネルギー源の輸入を一切中止することにつながったとした。
一方、ポーランドのモスクワ気候・環境相も28日までに、天然ガス供給や関連施設の維持管理などでロシア側と結んでいた協定を打ち切ったと発表した。
SNS上で、ポーランド政府は1993年に締結された「ヤマルパイプライン」に関する協定を非難すると指摘。ロシアによるウクライナ侵攻は、天然ガス調達でロシア依存からの脱却を図るポーランド政府の決意の正しさを裏づけたとも主張した。
ポーランドは、ロシアの国営ガス企業「ガスプロム」が信頼出来ない相手であるとの認識を常に抱いていたとも述べた。
協定は同パイプラインを通じたガス輸出と関連施設の建設や維持管理などを盛り込んでいた。ヤマルパイプラインはポーランドも通過している。
ロシアは今年4月下旬、ポーランドとブルガリアがロシアが求める通貨ルーブルでの決済に応じていないとして両国へのガス供給を遮断。欧州連合(EU)指導者はロシアによる脅迫行為と指弾していた。