ウクライナ正教会の宗派、侵攻支持のロシア正教会総主教と絶縁

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ロシア南西部のロストフ・ナ・ドヌでミサを執り行うキリル総主教/Sergey Pivovarov/Reuters/File

ロシア南西部のロストフ・ナ・ドヌでミサを執り行うキリル総主教/Sergey Pivovarov/Reuters/File

(CNN) ロシア正教会系のウクライナの一部宗派は2日までに、ロシアのウクライナ軍事侵攻を受けロシア正教会の最高責任者であるキリル総主教と絶縁すると発表した。

ロシア正教会と傘下組織との亀裂が深まっていることを物語る宣言となっている。

この一部宗派は侵攻を受けた会議を開き、「なんじ殺すなかれ」との神の命令に背く行為と指弾する声明を発表。その上でウクライナ、ロシア両国に対し交渉での事態解決を促した。

ただ、侵攻作戦を擁護すると共にプーチン大統領の支持を唱え、ロシア正教会を背後から同大統領を支える組織にしたとするキリル総主教を非難。ウクライナ正教会の「全面的な独立と自治」を選ぶ理由になったと主張した。

侵攻は自らの正教会の信奉者に悲惨な体験を強いたとも指摘。侵攻後の3カ月間で南部、東部や中部に住んでいた600万人以上のウクライナ国民が国外への脱出を迫られたとして、これら国民の大多数は教会の信仰心が深い人々だったとした。

ウクライナ正教会の教会の大半は既にロシア正教会から自立する路線を選んでいる。ロシア正教会からの離反は、2018年にキリスト教東方正教会の首席総主教とされるバルトロメオス1世コンスタンチノープル全地総主教が独立的なウクライナ正教会の存在を認めたことでさらに弾みがついていた。ギリシャ人の同総主教は世界各地にいる正教会信徒の精神的指導者ともみなされている。

これに対しロシア正教会とキリル総主教はバルトロメオス1世との関係を打ち切る対抗措置に出ていた。

バルトロメオス1世を信奉するウクライナ正教会の宗派は、キリル総主教との関係断絶を今回宣言した宗派とは別のグループとなっている。

プーチン大統領は自らの外交政策の軸にいわゆる「ロシアの世界」の復興を据えており、ウクライナの国家的な固有性も根拠がないとして打ち消す立場を示している。それだけにロシアの意向が通じない教会勢力の出現に激高したともされる。

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