要衝近郊の町バフムート、迫るロシア軍の脅威 ウクライナ東部

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ロシア軍が迫る要衝近郊の町バフムート、現地の様子は

ウクライナ東部バフムート(CNN) ウクライナ東部ドネツク州の町バフムートは、ロシア軍とウクライナ軍の激しい市街戦が続くルハンスク州セベロドネツクへの主要道路沿いに位置する。戦争の影が濃さを増す町に取材班が入った。

到着したのは穏やかに晴れた朝。燃料不足のため車の往来は少なく、多くの市民が自転車で移動していた。一見平和そうな空気を突き破るように、時折町の内外で砲撃の音が響く。

最初に訪れた市庁舎では、ボランティア団体がパンを配っていた。調理用のガスが止まり、パン屋が休業に追い込まれた町に、トラックが毎日10時間かけて1万斤のパンを搬入。1人2斤が無料で配布されている。

パンを受け取りに訪れた市民の中に、2人の孫の面倒を見ているという女性がいた。子どもたちに何と説明すればいいのかと、取材班に問い掛ける言葉が終わった瞬間、何度も爆発音が響いた。女性は子どもたちを振り返り、優しく言葉をかけた。

近くの丘から黒い煙が上がっている。ウクライナ軍のロケット弾発射台からのようだ。だれもあわてたり、逃げたりする気配はない。

パンを配るボランティアの女性に、ロシア軍がさらに迫っても町にとどまるかと尋ねると、朗らかな表情が一変した。「お墓があるのも、両親が住んでいるのもこの町。どこへも行かない」と声を震わせ、涙をためて「私たちの土地はだれにも渡さない。たとえ破壊されても再建する」と語った。

バフムートはセベロドネツクと対岸のリシチャンスクへつながる主要道路沿いにある。ロシア軍は両都市を孤立させる作戦とみられ、何週間も前からこの道路への爆撃を繰り返してきた。

ウクライナ当局者らによれば、ロシア軍はすでにセベロドネツクの大半を支配下に置き、数日中には孤立させる計画とみられる。

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