化学工場に避難の民間人、2週間補給受け取れず セベロドネツク
(CNN) ウクライナ東部ルハンスク州セベロドネツクのアゾト化学工場に避難している民間人が2週間にわたって補給を受け取っていないことがわかった。地区の幹部が15日明らかにした。化学工場には500人以上の民間人が避難している。
同幹部はテキストメッセージで、「ここには食料の蓄えがある。しかし、彼らは2週間にわたって補給を受けていない」と述べた。備蓄は長く持ちそうになく、退避のための「人道回廊」が設置されれば、人々は化学工場を離れる準備をするとみられるという。
ロシア国防省は、化学工場から民間人を避難させるための回廊を15日から開設すると明らかにしていたが、退避先はロシア側が掌握する北部となる。
ウクライナ当局はロシアの提案にコメントしていないほか、過去のロシアの履行状況から、こうした主張に懐疑的な見方を示している。ウクライナは繰り返し、ロシアが避難回廊開設の約束を破り、避難した民間人をロシア領に送り、停戦合意の順守を守っていないと指摘している。
市の軍当局トップはテレビの取材に対し、ウクライナ側が掌握しているリシチャンスクとセベロドネツクとの間の移動は難しいものの依然として可能だとの見方を示した。
同トップは「避難のための道は、危険ではあるが存在している。市が完全に隔絶されたというのは間違いだ」と述べた。ただ、兵站(へいたん)については非常に複雑になっているという。
同トップによれば、戦闘は市の中心部に集中している。工業地帯をウクライナ側が掌握しているとし、状況は厳しいが安定しているとの見方を示した。何人の民間人が市に残っているか推計することは難しいとしている。