公共プールでの「ブルキニ」禁止、行政裁判所が支持 仏南東部グルノーブル
(CNN) イスラム教徒の女性向けの全身水着「ブルキニ」で公共のプールを利用できないとしたフランス南東部グルノーブルの禁止令をめぐる裁判で、仏国務院(最上級の行政裁判所)が21日、禁止令を支持する判決を下した。
同市ではイスラム教徒の女性らによる抗議運動を受け、2021年5月にいったんプールでのブルキニ着用が認められた。しかし直後に市の行政裁判所がこれを覆していた。
国務院は21日の判決で、宗教的中立の原則に言及。市当局がブルキニを容認すると利用者を平等に扱うことができず、公共サービスの中立性が損なわれると主張した。
また、一部のプール利用者が衛生、安全面のルールに違反することを許す結果になるとも指摘した。
フランスは伝統的に政教分離の考えが強い。さらに昨年、マクロン前政権下でこれを補強する法案が閣議決定された。
04年には、学校でイスラム教のスカーフやユダヤ教の帽子「キッパ」、キリスト教の大型の十字架などを身に着けることが禁止された。イスラム教徒の女性が目以外の顔を覆うベール「ニカブ」は、公共交通機関や公園、路上、行政機関などでの着用が禁止されている。