捕虜50人死亡の爆発、ロシア民間軍事会社の仕業と非難 ウクライナ
(CNN) ウクライナ国防省の情報部門は3日、東部ドネツク州の親ロシア派勢力が自称する「ドネツク人民共和国(DPR)」の収容施設で先週起きた爆発について、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」が実行したと主張した。
この爆発ではウクライナの戦争捕虜50人が死亡、多数が負傷した。
ウクライナ国防省によると、建物の爆発はワグネルの指揮所の戦闘員が実施したもので、可燃性の高い物質を使用した結果、敷地内で急速に炎が燃え広がったとしている。
ワグネルは民間の軍事請負業者で、所属する戦闘員はロシアのウクライナ侵攻のほか、アフリカや中東の紛争にも関与している。
ウクライナ国防省情報部門は裏付けとなる証拠を示しておらず、CNNはその主張について独自に検証できていない。
ドネツク州オレニウカにある収容施設の爆発現場をとらえた画像には、被害者の多くが重度のやけどを負った様子が写っている。この施設は南部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所で投降したウクライナ兵を多数収容するのに使われていた。
ウクライナ国防省情報部門はまた、収容施設での尋問にはワグネルの人員だけでなく、DPRやロシアの治安機関も関与していたと主張。尋問では拷問や殴打が積極的に使用されたが、これは特定の情報を入手するためではなく、いじめや身体的な辱め、士気をくじくことを狙いとしていたと主張した。
同部門はさらに、ロシア側に捕虜交換の意図はなく、国際刑事裁判所で証拠となり得るウクライナ兵士の不適切な尋問の状況や形態を隠すために、兵士を殺したとも主張した。
ロシアは7月28日夜に起きたこの爆発を巡り、ウクライナ人捕虜が戦争犯罪を認めるのを防ぐため、ウクライナが米国から供与された高機動ロケットシステムを使用して行ったと主張。これに対し、ウクライナは一貫してロシア軍の攻撃だと非難している。