米財務省、プーチン氏の「恋人」とされる女性に制裁
ワシントン(CNN) 米財務省は2日、ロシアのプーチン大統領の「恋人」とされるアリーナ・カバエワ氏(39)を制裁対象に指定した。ウクライナ侵攻での対ロシア制裁で、エリート層を標的とする新たな措置の対象者の一人となった。
カバエワさんはプーチン大統領と恋愛関係にあると指摘されている。財務省の声明では制裁の理由として、現在もしくは過去のロシア連邦政府の指導者や当局者であることを挙げた。
声明はカバエワ氏について「プーチン氏と近い関係にある」と指摘。ロシア下院の元議員であること、「テレビやラジオ、出版組織を傘下に持つ政府寄りの企業帝国、『ナショナル・メディア・グループ』の現トップを務めていること」にも言及した。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは4月、米国はカバエワ氏を制裁対象にすることを検討しているものの、プーチン氏に近い人物であることから、制裁に踏み切れば緊張に拍車をかけると懸念する声が出ていると報じていた。
カバエワ氏はすでに欧州連合(EU)や英国から制裁対象に指定されている。
カバエワ氏に加え、米財務省は複数のオリガルヒ(新興財閥)、鉄鋼メーカーとその子会社2社、制裁回避に関わっているとされる金融機関とその責任者に対する制裁も発表した。
これとは別に、ブリンケン米国務長官もオリガルヒ3人、運輸省の監督下にあるロシア国営企業、「ウクライナ領内でロシアと協力して違法活動を行っている4個人と1団体」、防衛やIT関連の24団体に対する制裁も発表した。
ブリンケン氏はまた、893人のロシア当局者と、ロシアのクリミア半島併合に対する支持で活動したとされる31人の外国政府当局者を対象に査証(ビザ)を制限するとも述べた。
米国の制裁対象となったオリガルヒの多くはすでに英国やオーストラリア、カナダ、EUなどの同盟国から制裁を受けている。