中国が台湾近海にミサイル発射演習、米国務長官「危機つくり出さないこと」望む
(CNN) 中国軍は3日午後、ペロシ米下院議長の台湾訪問に反発する軍事演習の一環で、台湾近海に複数のミサイルを発射した。これを受けブリンケン米国務長官は4日、「中国が危機をつくり出したり、攻撃的な軍事行動を増やす口実を求めたりしないこと」を強く望むと発言した。
カンボジアで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)と米国の閣僚会合で述べた。「緊張の激化は誰のためにもならず、ASEAN加盟国や中国を含め、誰の利益にもならない意図せぬ結果を引き起こす可能性がある」とも指摘した。
ブリンケン氏によると、米国はここ数日、このメッセージを伝えるため政府のあらゆるレベルで中国側に働きかけているという。「中台間の安定を維持することがASEANのすべての仲間を含む地域各国の利益になる」としている。
さらに「米国は台湾海峡の平和と安定に変わらぬ関心を持ち続けている。我々は現状を変えようとするあらゆる一方的な試み、特に力による現状変更の試みに反対する」と述べた。
米国は引き続き「台湾関係法、三つのコミュニケ、六つの保証の順守に基づく『一つの中国政策』を堅持している」とも述べた。
中国軍東部戦区は4日の声明で、台湾東部沖に複数のミサイルを発射したと発表。すべてのミサイルが目標に正確に着弾したと明らかにした。「すべての実弾演習が成功裏に完了し、関連する空域および海域の制限を解除した」という。
ペロシ氏は今週、米下院議長として25年ぶりに台湾を訪問した。これをきっかけに、中国は訪問の前後や訪問の最中に激しい反発を示していた。