前首相を反テロ法違反の疑いで捜査 パキスタン
イスラマバード(CNN) パキスタン当局が、カーン前首相について、反テロ法に違反しているかどうか捜査していることがわかった。カーン氏をめぐっては、規制当局が同氏の発言が「ヘイトスピーチ」に当たるとしてテレビの生放送で放送することを禁止した。カーン氏は4月に首相の座を追われたが依然として高い人気を誇っており、今回の動きによって、カーン氏と政権との間の緊張がさらに高まりそうだ。
CNNが入手した警察の文書によれば、警察は、カーン氏が集会で、警察幹部と女性判事に対して「行動を起こす」と発言したことを受けて捜査を開始した。
カーン氏は20日、イスラマバードで開かれた集会で、数百人の支持者に対し、警察幹部を相手に訴訟を起こすほか、女性判事に対して行動を起こすなどと述べた。当該の集会は、カーン氏の首席補佐官への支持を表明するもので、同補佐官は今月、扇動の容疑で逮捕されていた。同補佐官は兵士に対して司令官の指示に従わないよう促していた。
カーン氏は同補佐官について勾留中に警察から拷問を受けたと主張した。イスラマバード警察はカーン氏の主張を否定しており、CNNの取材に対して同補佐官は拷問されていないと述べた。
イスラマバード警察は21日、カーン氏の演説を収めた動画をツイッターに投稿し、「脅迫や誹謗(ひぼう)中傷を行うものは誰であれ、法にのっとって対処する」と述べた。
パキスタンの規制当局PERAは20日、カーン氏の演説について、「ヘイトスピーチ」だとして生放送することを禁止する指示を出した。
PERAは声明で、カーン氏について「国家機関に対する挑発的な発言を通じて、根拠のない主張を展開し、ヘイトスピーチを広めている」と述べた。
カーン氏は22日、ツイッターへの投稿で、ユーチューブでの配信が一時的に遮断されたことについて政府を非難。言論の自由の侵害であるだけでなく、デジタルメディア業界や人々の生活にも影響が及ぶと述べた。