「何もかも嘘だった」 国外へ脱出のロシア兵、ウクライナ戦争を批判
自分が戦闘の最前線にいた当時、ロシア軍には基本的な装備も、ドローンなどの無人機もなかったと同氏は話し、「兵舎はおよそ100年前の古いもので、兵士全員は収容できない。私たちの兵器は全てアフガニスタン時代のものだ」と指摘した。
「ヘルソンを包囲してから数日たつと、私たちの多くは食料も水も寝袋もなくなった」「夜はとても寒かったので眠ることさえできなかった。私たちはごみやボロ布を見つけ、体に巻いて暖を取った」
ヘルソン制圧はロシア軍にとって重大な成果だった。ウクライナは今、同市の奪還を目指して南部で戦闘を激化させている。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が何を考えているのか分からないとフィラティエフ氏は言う。「国外に出て、銃を持たなくなった今、これは自分たちの政府がやり得る限りで最悪かつ最も愚かなことだと私は思う」「政府が私たちをどこへ導いているのか分からない。次はどうなるのか? 核戦争か?」
「私の国に起きていることを見ると恐怖に駆られる。何もかも破壊され、腐敗している」「唯一機能しているのは抑圧的な法律だけだ」
フィラティエフ氏はある程度のメディア取材に応じた後に出国したが、自分の発言をめぐって政府に報復されるかもしれないと予想してこう語った。
「私は刑務所に入れられるか、あるいは彼らが私を排除して黙らせるかのどちらかだろう。過去にそうしたケースはたくさんあった」
「ほかに脱出する道は見えない。なるようになるだろう」