コロナ勝利宣言の北朝鮮、中国国境付近で疑わしい症例報告
(CNN) 2週間前に新型コロナウイルスに対する勝利を宣言した北朝鮮で、感染が疑われる症例4例が中国との国境近くで報告された。
朝鮮中央通信(KCNA)は23日、疑わしい症例が見つかった地域は「即座にロックダウン(都市封鎖)された」と伝えた。
KCNAは国家非常防疫司令部の話として、「8月23日に両江道で悪性伝染病の感染が疑われる発熱症例」4例が発生したと伝えている。
北朝鮮は検査能力が限られており、新型コロナウイルス感染を「発熱症例」と呼んでいる。
今年5月に初めて新型コロナの症例を確認して以来、疑いのある症例は477万例を記録したが、7月29日以降は新規の症例報告がなく、金正恩(キムジョンウン)総書記は今月11日、新型コロナに対する勝利を宣言していた。
しかし世界保健機関(WHO)などの専門家はこの主張に疑問を投げかけている。
その根拠の1つとして、国民の大多数がワクチン未接種と思われるにもかかわらず、死亡率が異常に低いと多くの専門家は指摘する。北朝鮮の人口2500万人に対し、死亡が伝えられたのは74人のみ。KCNAはこれについて「前例のない奇跡」と形容していた。
今回の感染が疑われる症例については、「国内で悪性ウイルスの蔓延(まんえん)を根絶して以来、悪性伝染病に感染した人はいない」とKCNAは強調。今回の熱症例の流行について調査するため、防疫チームが動員されたとした。
最新の貿易統計によると、北朝鮮はコロナに対する勝利を主張しながら、100万枚以上のマスクやゴム手袋1万5000組などのコロナ対策用品を7月に中国から輸入している。