炎天下で数百万人が検査待ち、干ばつで農作物や家畜に打撃 コロナ対策が追い打ち 中国
香港(CNN) 記録的な熱波に見舞われている中国南西部の重慶市で、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした検査が都市部の住民に義務付けられ、数百万人が炎天下で長時間の行列に並んでいる。
ゼロコロナ対策に沿って重慶市が打ち出した措置は、猛暑と過酷な干ばつ、猛威を振るう山火事に苦しむ住民を、一層困難な状況に追い詰めている。
重慶市では24日に40例の新型コロナ感染が報告され、これで8月半ば以来の累計は146例になった。
当局は同日、都市部の住民1000万人あまりに対して検査を受けるよう命じた。重慶市のこの日の最高気温は40度を超えていた。
都市部には3800カ所以上の仮設検査場が設けられ、住民が長蛇の列に並ぶ写真がSNSに投稿されている。中には暑さで倒れる人もいた。
広く出回っている映像では、検査待ちと思われる人たちが道路いっぱいに行列を作っている。ほとんどはマスク姿で、自分をあおいで暑さをしのごうとする人もいる。背後では山火事の煙が上空に立ち上っていた。
ある住民は「43度だ。重慶市の住民はもう限界に来ている」と中国大手SNSウェイボー(微博)に書き込んだ。
都心部の住民に検査を徹底させるため、当局は全住民の携帯電話の健康コードをオレンジに切り替えた。検査を完了しなければ緑には戻らない。
中国で日常生活を送るためには緑のコードが必須条件。政府は新型コロナの感染拡大を防ぐため、カラーコードシステムを導入して自由な移動を制限している。
当局によると、検査を受けていない住民は、集会や会合、営業活動などに参加できず、人の集まる屋内の公共の場への立ち入りも認められない。
重慶市の住民の男性(42)は、健康コードアプリのメッセージで24日検査を受けるよう指示されたと話し、「これほどの猛暑の中で1000万人以上にコロナ検査を強要するなんて嘆かわしい」「科学的でも合理的でも合法的でもない」と嘆いた。