ウクライナの愛国歌を歌ったミス・クリミアに罰金刑
(CNN) ロシアが占領するウクライナ南部クリミア半島で、今年のミス・クリミアに選ばれた女性がウクライナの愛国歌を歌ったことを理由に、4万ルーブル(約9万8000円)の罰金を言い渡された。ロシアの国営メディアと、ロシア側の地元当局が発表した。
ロシア国営タス通信は、ミス・クリミアのオルガ・ワリーワさんには幼い子どもがいるため、禁錮刑を免れたと伝えた。友人は10日間の収監を言い渡された。
親ロシア派クリミア首長の補佐官はSNS「テレグラム」を通し、クリミアで通常のウクライナ歌曲を歌うことは処罰の対象にならないが、民族主義の賛歌は許されないと説明。歌いたければウクライナ南部ミコライウやザポリージャの「中立地帯」へ連れて行き、存分に歌わせると述べた。
当局の報道官によると、インターネット上で女性2人が「過激派組織の戦歌」を歌う動画が見つかった。2人はロシア軍の名誉を汚し違法なシンボルを掲げた容疑で拘束され、裁判で有罪になったという。
2人が歌ったのは「赤いガマズミ」と題したウクライナの歌で、国民に「ガマズミの木のように立ち上がり、歓喜しよう」と呼び掛ける内容。ロシアのウクライナ侵攻以降、英ロックバンド「ピンク・フロイド」がカバーするなど、ウクライナ支援の歌として広く知られるようになった。