イランでデモ続く、クルド人地域で新たに2人の死者
(CNN) イラン北西部のクルド人居住地域で8日、新たに起きた抗議デモに対して治安部隊が実弾や催涙ガスを発射し、人権団体によると2人が死亡した。
同国では先月、服装規定に違反したとして風紀警察に拘束されたクルド系の女性が死亡し、これに抗議するデモが広がっている。
ノルウェーに本拠を置くクルド系人権団体ヘンゴウによると、クルド人地域のサナンダジでは車を運転していた男性が治安部隊に射殺された。
サナンダジと死亡した女性の出身地サケズで学生らが抗議デモを始めたのに対し、治安部隊がサケズの1校を襲い、教師2人が負傷した。
さらにデモ参加者の1人が腹部を撃たれて死亡したという。
同地区内の都市のほか、首都テヘランや近郊カラジ、中部イスファハン、南部シラーズなど各地で8日もデモが続いた。
ライシ大統領はテヘラン市内の女子大学で「敵対勢力が大学で欲望を満たそうとしたが、学生や教授らの意識が高いために達成できなかった」と主張した。
一方でSNSには、同じキャンパス内で「国王であれ最高指導者であれ、弾圧者には死を」と唱える女性たちの動画が投稿された。ライシ氏の訪問中に起きたデモなのかどうかは明らかでない。
米国から支援を受ける放送局ラジオ・ファルダは、テヘラン市内で機動隊が若い女性に暴力を振るう動画を流した。
デモが始まってからの死者は150人を超えたとの見方もあるが、政府や反体制派、人権団体、現地ジャーナリストらの間で大きく異なり、外部から正確な人数を確認することは難しい。